きのこのリゾット

秋の味覚、キノコのリゾット
秋の味覚、キノコのリゾット
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秋らしいキノコのリゾット

日本ではもともと主食が白いごはんなので、同じイタリアから日本へやって来たものでもパスタやピザと比べると、リゾットというのは少し馴染みが薄いように思いますし、もしかすると食べたことがないという人も珍しくはないかもしれません。

世界中からのたくさんの旅行者が訪れるパリにはフランス料理のレストランはもちろん、世界各国の料理が楽しめるお店が競い合い、ひしめき合うようにあり、それぞれのお店ではシェフたちが来てくれたお客さんたちに喜んでもらえるよう季節ごとに新しいメニューを考えながら日々新しい料理がつくり出されています。 

長い歴史を持つフランス料理には、ブフ・ブルギニョン(牛肉のブルゴーニュ赤ワイン煮込み)、ブランケット・ド・ヴォー(仔牛のクリーム煮)などの古くから伝わる伝統的な料理がたくさんあります。

ですが今日の前衛的なフランス料理のお店においては、いろんな国々の料理の技法や調味料なども積極的に取り入れながら進化を続けることから、様々な国の料理の断片を垣間見ることができますが、そうしたことから今ではフランス料理のお店でもリゾットは頻繁に見かけるもののひとつになっているのです。

フランス料理というと前菜、主宰、デザートの3皿構成が基本ですが、例えばリゾットを立食パーティーの時に小さな器に入れたり、あるいは少なめに盛り付けて前菜にも出すことができますし、そうでなければ主催のつけあわせとしても出せるので、リゾットは使い勝手と相性がフランス料理にはとても良いように思います。

今回は、僕がパリでプロの料理人として仕事をしてきた経験から、基本的なリゾットの作り方をできるだけ詳しく紹介できたらと思います。

今日はフランスの季節のキノコを使ったリゾットを紹介しますが、1度この基本的なリゾットを作れるようになりさえすれば、これ以外にも違った味付けや組み合わせでいろんなリゾットを楽しめるようになるので、ぜひ作ってみてください。

秋になるとキノコの季節です。
秋になるとキノコの季節です。 

フランスの季節のキノコ

フランスでは年中栽培されているマッシュルーム、(champignon de Paris)などもありますが、真冬を除けば実際には秋だけに限らず、春から冬にかけていろいろなキノコが収穫されています。 

どんなキノコを使ってもそれぞれ個性のある美味しいリゾットができるので、マルシェに行ってその時見つかった美味しそうなキノコを使って作るのが良いでしょう。

今回僕がマルシェで見つけてきたキノコは、淡いオレンジ色のジロール、直訳すると”死のトランペット”になる漆黒のトロンペット・ドゥ・ラ・モール、そして芯が空洞になっているシャントレル・アン・チューブの3種類のキノコです。 

キノコはどれも違った魅力があって美味しいので、日本ではもちろん、シイタケやしめじ、エリンギにマイタケ、好きなキノコで作ってみると良いと思います。

今回使う材料です
今回使う材料です

リゾットに使うお米

リゾット用のお米にエシャロット、ニンニクに白ワイン、オリーブオイルにバターです。 

お米は日本のお米と比べるとひと粒ひと粒がしっかりと大きく、玄米から白米へと研磨する精米が少し浅い感じです。 

今回使うお米はイタリアのアルボーリオ米(他にカルナローリ米など)で、リゾットによく使われている品種ですが、火が通るともっちりとした食感になるのは日本のお米と同じジャポニカ米に分類される品種だからです。 

つまり逆に言えば日本のお米で作るリゾットというのも相性が良いので美味しくなるというわけですね。

作り方

それでは作り方の解説です。 

まずはエシャロットを細かく刻みます。 まずは根の部分だけを残すように包丁を縦に入れ、大きさによって横からも2度3度さらに包丁で切り込みを入れて細かいみじん切りにします。

キノコの下処理

キノコの下処理をします。

3種ともやり方は同じで、まずは石づきの先を見て土が付いていたり硬くなっている場合にはナイフを使って切り落とします。 

同時に大きすぎるキノコは縦に手で裂くようにして大きさを整え、枯れ葉などの不純物が混じっている場合にはこれを取り除きます。

次に水で洗うのですが、まずは容器などに水を張ってから一気にキノコを中へ入れて、手早く洗い、ザルに上げて水気を切ります。 そうすることでキノコが余計な水分を吸い過ぎないようにします。 

下処理を終えた材料

キノコのリゾットの材料
キノコのリゾットの材料

材料が整いました。

下処理を終え、洗ったキノコ、鶏がらスープ、白ワイン、オリーブオイル、リゾット米(アルボーリオ)、パルメザンチーズ、刻んだエシャロットに皮を剥いて軽く潰したニンニク、そして最後にバター。

鶏がらスープ

ポイント

本来フランスの大きなホテルやレストランでは、日本料理においての出汁ともいうべき多くの料理の基本に使われるフォン・ブラン・ド・ヴォライユ(Fond Blanc de Volaille)という鶏がらをベースにニンジン、セロリ、玉ねぎにポワロネギなどの香味野菜とブーケガルニ、クローブで2時間以上煮込んでから目の細かいザルでこした澄んだスープが使われます。

業務用としては一度に大量に仕込んで毎日たくさんの量が使われますが、個人宅で毎回これを作るとなると時間と手間がとてもかかります。

僕は鶏肉を好んでよく食べるので、今回は自分で捌いた鶏肉の骨と少量のショウガだけで鶏のスープを取りましたが家庭では固形のチキンブイヨンや野菜のブイヨンでも充分に代用できますし、顆粒のだしを使って和風にするのも良いかもしれません。

元のレシピにこだわり過ぎて手間を増やすよりも、省けたり代用が効くところはそれを利用する方が料理は気軽に楽しむことができるので、一番揃えやすいもので作ることをお勧めします。

リゾット米に火を入れます

それではリゾット米に火を入れていきます。

日本のお米を使う場合には、お米の大きさがイタリアのリゾット米と比べてひと回り小さいので火が通るのが少し早くなりますが、基本的には同じです。

まずはある程度深さのある広めのお鍋やフライパンにオリーブオイルをしっかりと気持ち多めなくらいに入れ、さらにエシャロット、皮を剥いて軽く潰したニンニクを入れて少し強めの弱火にかけます。

ゴムベラなどを使って焼き色がつかないように混ぜながら透き通るまで火が通ったら、お米を入れます。

お米は洗わずにそのまま入れてください。 

さらにエシャロットと馴染むようゆっくりとかき混ぜ、全体がよく混ざりお米が充分に熱くなった頃合いで白ワインを入れ、アルコール分と一緒に水分を飛ばすようにします。

この時のはもう少し温度を上げて弱めの中火くらいにするといいでしょう。

白ワインの水分がなくなりかけたところで今度は鶏がらスープの出番です。

冷めたスープを入れるとその度に温度が下がってしまい時間が余計にかかるので、別のお鍋に温かいスープを用意して、おたまを使って少しづつ数回に分けてスープを入れます。

常にヘラを使ってお鍋の底があたってしまわないよう(焦げ付いて来ないように)注意しながら、水分が少なくなる度にスープを足して火を入れていきます。

お米の性質や火の加減にもよるので正確に何分とは言えませんが、おおよそとしてお米を入れてから10分くらい経った頃合いを目処に1度耐熱の容器やバットに引き上げて平らにならします。

お米がしっとりと水分をまといながらもヘラで混ぜた時にお鍋の底が見えるくらいが良いタイミングです。

容器に移したら表面が乾いてしまわないようラップをしますが、早く荒熱がとれるようにピッタリとお米にくっつくようにします。 この時は火傷に注意してください。

ポイント

余熱でも多少火が入りますし、この時点での目安は、お米にしっかりとまだ芯があって、このままでは食べれないくらいがちょうど良いので、火が入り過ぎてはいけません。

おもてなしのタイミング

このリゾットをいったん容器に移して冷ました状態がいわゆるプロの料理人がいうところの『仕込み』が終わった状態です。 

なのでこのままリゾットを直接仕上げてももちろん構いませんが、家庭でもこうして『仕込み』の状態にしておけば、食べたいと思ったタイミングに合わせて短時間で食卓に運ぶことができます。

なのでたとえば友人を家に招いて軽く乾杯をし、おしゃべりをしてお腹が空いてき頃を見計って準備をする、といった時にとても都合が良いですし、冷蔵庫に入れておけば3日から4日は持つので味を変えながら数回に分けて食べるのも良いかもしれません。

キノコを炒めます

次にキノコを炒めます。

フライパンを少し煙が立つくらいに中火であたため、を強いてキノコを入れ、をうすく振って炒めます。 

温まったフライパンにキノコを入れる時には油が跳ねることがあるので注意してください。

キノコはしっかりと高温になることで美味しくなります。 ですので1度にフライパンに大量のキノコを入れたり、フライパンの温度が十分にあたたまっていないと、先にキノコの水分が出てきてしまうので、よく温め、キノコも量によっては数回に分けて炒めていくと良いでしょう。 

それでも炒めていくと後から多少の水分が出ますが、しっかりと炒まっていればもう引き上げて構いません。

容器に移して冷ましたら、キノコの『仕込み』は終わりです。

それでは仕上げにかかります

ここからがタイミングとしては、レストランでいうところのリゾットの注文が入った時です。

フライパンを中火にかけ油をうすく敷いたら、炒めておいたキノコを少しのバターを加えて再度焼きます。

バターを加えて焼くことで、香ばしくキノコの味をいっぱいに引き出すことができるので、時折混ぜながら少々焼き色がつくくらいまで焼くといっそう美味しくなります。

リゾットの方もある程度深さのあるフライパンかお鍋に仕込んでおいたリゾット米とスープを一緒に入れて中火にかけ、沸いたら少し火力を落とします。

最後に入れるパルメザンチーズにある程度の塩気があるので、この時点ではをうすく振るだけにして、ヘラを使って軽くかき混ぜながら火を入れていよいよリゾットの仕上げにかかります。 

必要であればスープを足しつつ味見をし、お米の食感をある程度のこしながら好みの固さにしていきます。

ちょうど良くなったらバターを少々と炒まったキノコの7割くらいをを入れます(残りは盛り付ける時に使います)。

ポイント 

こうして仕上げに近い段階で少しのバターを入れることでリゾットに艶が出ます。

全体が馴染んだら火から下ろしパルメザンチーズを入れて混ぜます。 

ポイント 

パルメザンチーズは一緒に入れて火を入れると後で糸を引くように食べづらくなるので最後に火から下ろした後で入れます。

最後に味見をして必要ならお塩を足します。 

塩加減がちょうど良くなったら、お好みでコショウも振っていよいよ出来上がりです。

盛り付けて完成!!

彩りにルッコラを添えて
彩りにルッコラを添えて

お皿に盛り付け、フライパンに残っていたキノコと彩りにルッコラを少々あしらいます。

もともとリゾットの定義としては『お米のスープ』だったらしく、むかしはもっと水分を残して作っていたということですが、僕としては食べやすさと好みからしっとりと水分を保ちつつも少し硬めに仕上げます。

Risotto aux champignons
完成!! Risotto aux champignons

さらにパルメザンチーズを振ったら完成!! 

『キノコのリゾット』ができました!! ボナペティート!!

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