週末はル・アーヴルで。

今では街のシンボル的な、ル・ヴォルカン。
今では街のシンボル的な、ル・ヴォルカン。

ル・アーヴル Le Havre

週末の2日間は翻訳家の友人、レミの誘いで彼の出身地であるル・アーヴル(Le Havre)の街を訪れました。 

パリのサン・ラザール駅から電車で2時間と少し、車窓からセーヌ川を横目に見ながら向かうル・アーヴルは、その気になればパリからの日帰りでも訪れることが出来る海沿いの街です。

確か5年ほど前の寒い時期にも一度訪れたことがあるのですが、やはり夏の太陽のもと、現地で生まれ育ったレミ、そして友人達と歩くル・アーヴルの街は、また随分と違った印象です。

パリ市立近代美術館で見た大作『電気の精』が記憶に深く残る画家、ラウル・デュフィの出身地であるこのル・アーヴルは、クロード・モネが青年期の大半を過ごし、師となるウジェーヌ・ブーダンと出会った場所でもあります。

ですが何より真っ先に思い浮かぶのは、第2次世界大戦中に行われた歴史上最大規模という上陸作戦、1944年6月6日の『ノルマンディー上陸作戦』かもしれません。

ノルマンディー上陸作戦に続く3ヶ月後の9月、アストニア作戦によってル・アーヴルは連合国軍の手によって占領していたドイツ兵から奪還されましたが、街の中心部は砲撃と空爆で1万と数千の建物が壊されてしまい、完全な廃墟になってしまいました。

その後、コンクリートの巨匠と呼ばれる建築家のオーギュスト・ペレの手法によって1945年から1964年にかけて街は今の形へと再建され、20世期においての優れた都市計画の一例として、2005年からはユネスコ世界遺産の一つにも数えられています。

当時にしてみれば超近代的なオーギュスト・ペレの設計した建物は今見ても独特で、碁盤の目のように並ぶ飾り気のない建物群は、決して忘れることの出来ない記憶を反映しているかのようにも見えます。 

第2次世界大戦によって一度は大打撃を受けたのにもかかわらず知恵と時間と努力を重ね続けて全く新しい街になったというところは東京も同じですからね、そう思うとどこか親近感が湧いてきます。

中はテアトル劇場 『Le Volcan』 ル・ヴォルカン 

ル・ヴォルカン Le Volcan
ル・ヴォルカン Le Volcan

初めてこの街を訪れたときには、大きなテントのようにも見えた純白のル・ヴォルカン(火山の意)は建築家、オスカーニーマイヤーによるものです。 

元々は1961年に文化会館のような施設として発足したようですが、その後1991年からはテアトル劇場として生まれ変わり、フランスにとっての重要なテアトルの一つだそうです。

ル・ヴォルカンのふもとの現代アート作品。
ル・ヴォルカンのふもとの現代アート作品。

ル・ヴォルカンに近づくと、水が大きな手から湧き出る現代アート作品が。

«Un jour comme cette eau, la terre, les plages et les montagnes à tous appartiendront.»

訳『1日はこの水のように。大地、砂浜と山々、全ては所有される』 

哲学的な詩のようで、上手く訳せているかはわかりませんが・・。

今ではル・アーヴルの風景、コンクリート建築群。

今こうして見ると、これはこれで自然に見えますが、1940年代において、このコンクリートの建物はきっと全く新しいものとして人々の目に触れたことでしょうね。

1517年建市のル・アーヴルは500周年を迎えたことを祝して街のあちらこちらやビーチにも、巨大な現代アート作品が設けられ、街自体が現代アートの美術館のようにも見えます。

ル・アーブルのお勧めレストランはリオン料理?

「ル・アーブルの名物というわけじゃなくて申し訳ないけれど」と、レミが常連客としてよく行く安くて美味しいリヨンの料理を出すレストランで初日の夜は食事をしました。

気さくな紳士がサービスしてくれる、店内の内装も可愛らしく落ち着いた雰囲気のレストランで、レミがどうしてここを選んで僕らを連れて来てくれたのかがよくわかるくらい素敵なお店です。

前菜には牛の頰肉のテリーヌ。 よく煮込まれた頰肉で作られたテリーヌは脂質が抜けてコラーゲンとゼタチン質が豊富でタルタルソースがとてもよく合います。

メインに選んだのはリヨンの名物料理クネル。 クネルには様々なものがあって小麦粉やスムールと呼ばれる小さなパスタ、卵と肉や魚などを練って作る、リヨンからアルザスにかけての伝統的な料理ですが、僕が頼んだのはBrochet (キタカワカマス)というお魚を使ったクネルで、エクルヴィス(ヨーロッパザリガニ)を使ったソース・ナンテュア Nantua というソースでがかかったものです。 付け合わせにはライスとトマト。 やはりこうした伝統的な料理は長年食べられて来たというのもあって完成しています。 幸せの瞬間ですね。

デザートにはテリーヌ型に切った栗のアイスクリームにアングレーズソースがかかったものを頂きました。 僕はあまり凝ったデザートよりもこうしたシンプルなものが好きなので、もう僕にとっては全てにおいて言うことなしの素晴らしいお店でした。 ごちそうさまでした。

住所 『Le Lyonnais』 7 Rue de Bretagne, 76600 Le Havre

第1次世界大戦の慰霊碑 Monument aux morts

ド・ゴール広場にある第一次世界大戦の慰霊碑。
ド・ゴール広場にある第一次世界大戦の慰霊碑。

1924年、彫刻家ピエール・マリー・ポワソン(Pierre-Marie Poisson)によって作られた、第1次世界大戦で亡くなった6000人の名前が刻まれた慰霊碑。 

風を受け、きっと未来を見ている人たちの彫刻が、これを見る人にそれぞれ違ったメッセージを伝えるような気がします。

LH (Le Havre)セレクトショップ

こうした地元限定のブランドは、大概ちょっとしたお土産ものに使われるだけのことが多いと思いますが、レミが言うにはこのLHショップはなんだかとても人気が出てしまって地元の人たちも気に入って着ているとか。 

確かに中に入ると店内はパリにあるようなお洒落なセレクトショップのようで、壁や壁に展示されているポップな絵もすごくこだわりがありそうなものばかりです。

良い食料はなんでも揃う Les Halles Centrales du Havre

2日目の午前中はバーベキュー用の材料の買い出しにレ・アル・セントラルというたくさんのお店が密集するところへ皆で行きました。 必要なのは飲み物とお肉、野菜だけなのに美味しそうなものがたくさん並んでいるので、つい目移りしてしまいます。

今こうして写真を見てもジブリの映画にでも出て来そうな、香ばしく焼き色の付いたフロマージュ・ブランのケーキは美味しそうですね。 買わなかったことを少し後悔。

サン・ジョゼフ教会 église saint-Joseph

オーギュスト・ペレが最後にデザインを手がけたというサン・ジョゼフ教会 (église saint-Joseph)。 彼自身はこの教会が出来上がるより前に亡くなってしまったということですが、彼の弟子たちが完成させてくれました。 

やはり彼の設計らしく直線だけで構成されたデザインのサン・ジョゼフ教会は、運良く晴天の日に恵まれたのもあって外からの光を通して見るステンドグラスがとても美しかったです。

信仰深くもない僕ですが、やはりこうした立派な教会を訪れると神妙な気持ちになりますね。

海は広いな大きいな

高台から望むル・アーヴルの海。
高台から望むル・アーヴルの海。

レミの幼馴染みの友人、グレゴワールの家に皆で向かうため、海辺沿いを皆で歩いた後、高台になったところにある彼の家に向かう途中からの風景です。 

海はやっぱり素敵です。 普段生活をしていると写真や映像としてはそこら中で見るにしても、実際本物の海を目の前に見ることは稀ですからね。 

目の前の海が世界中のどことだって繋がっているんだな、なんて思うと、夢や冒険心が湧いてくるし、そう思ったらいつまででも眺めていられるような気がします。

いつかこうした海辺の街にも住んでみたいですね。 新鮮な魚介類も食べれるし、遠くに響くカモメの声や波の音を耳にしながら生活できたら、いつだって穏やかな気持ちでそうです。

ル・アーヴルの海岸。
ル・アーヴルの海岸。

最後に歩いたル・アーヴルの海岸は、まだ少し夏本番には早いけれど、良く晴れた週末ということもあって日光浴をしにに来ている人や、海に入る人たちが思いのほかたくさんいました。

海に近づくと濡れた砂浜に照り返す傾きかけた太陽の光がキラキラしていて自然が作り出した綺麗な風景に感動しました。 とても充実した2日間にとても感謝です。 

レミ、ありがとう!。

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