油絵を描こう 5

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リンゴの絵 2回目

しっかりとした下地

リンゴの絵 4
リンゴの絵 4

前回の終了時。

リンゴの絵 5
リンゴの絵 5

前回の『油絵を描こう 4』から数日、絵の具はもうすっかり乾いて指で触っても付かないくらいです。(ある程度の厚さでキャンバスに塗られた絵の具の場合、表面は触っても絵の具が指につかないけれど内部までは乾いていない、という状態の時は『指触乾燥』と言います。 今回の場合は極めて薄く、揮発油のみで希釈しているので完全乾燥ですね。)

本来、『下地』と言うと、キャンバスの表面の白いファンデーションの部分を言いますが、今、僕が言うところの下地とは、後から乗せる絵の具の色がより映えるように、先にあえて少し暗い色調の色や、くすんだ感じの色を置いておくという意味合いでの下地ということです。

今日もまずは背景から手をつけていこうと思います。 まずは周りからポンッポンッっとリズムの良い筆運びでイエローオーカーにバーントアンバー 、少しのウルトラマリンブルーを基調にどっしりとした重めの色を乗せていきます。 

今回の画用液

今回の画用液はテレビン油4:ペトロール4:リンシード油1くらいの割合で、前回の画用液にわずかにリンシード油を足した感じです。 こうして描き進めるに従って乾性油の割合を増やしていきます。 

しっかりと軽量する必要もないと思いますが、描いていくに従って感覚的に好みの油の固さと言いますか割合が出てくると思います。 

ペインティング・オイルを使用の方はペインティング・オイル1:ペトロール0、8くらいで希釈すると良いと思います。

序盤は細部にはこだわらず、大きめの筆で

ディティール(細部)にはこだわらずに、ある程度大きめの筆を使うことをおすすめします。 細部をいきなり小さな筆で描き込んでいくという方法もありますが、まあ『定石』としては細部は後で、ということですね。 

序盤にある程度の大きさの筆を使って描く最も大きな利点は躍動感が出ることにあります。 

躍動感を持った筆運びで空気感を捉えることで、写真にはない『感覚的』、あるいは『直感的』なニュアンスで表現が出来るのは、絵の一つの大きな魅力であり醍醐味でもあります。

リンゴの絵 6
リンゴの絵 6

背景に一通り絵の具を乗せると大分暗くなりましたが、リンゴそのものと影にはまだ触れていないので画面全体がまだのっぺりとして見えますね。

バーントアンバーにウルトラマリンブルーとクリムソンレーキを入れることで深みのある色調ができるので、リンゴの影を表現していきます。 次に主役のリンゴですが、リンゴもこの段階での全体的なバランスとコントラストを考えると、更に暗く濃いものでなくてはなりません。

いったん色調、明度を落として

リンゴの絵 7
リンゴの絵 7

リンゴでもっとも深く、濃い赤の部分に全体のバランスを見ながら色を乗せていきます。

この日の絵の具は、初回に引き続き、イエローオーカーバーントアンバー クリムソンレーキウルトラマリンブルーの4色です。 

ですが、もちろんいつでもこの4色というわけではありません。 

今回の絵は『油の絵の具に触れて慣れる』という目標のもとに、あえて限られた絵の具の中で、気が散ってしまったり迷うことなく集中しやすい方が良いのではないか、という考えのもと最小限の色数で一枚の絵を仕上げてみようということです。

リンゴの絵 8
リンゴの絵 8

リンゴにも背景にあった深く重みのある色を乗せました。 どこか暗い色調が教会の片隅に置いてある17世紀の絵のような雰囲気を醸し出していますが、それでもすでに油絵らしい色調になってきました。 

次回からこの色調を土台として色数を増やし、明るめの色を乗せていきます。 今回は最後にリンゴのヘタを描き加えていませんが、今回乗せた色を通して透けて位置が分かるのでこのままにしておくとしましょう。

と、画面全部に絵の具が行き渡ったところで2回目の今日は筆を置きます。 

前回と同様しっかりと後片付けをして、誤って画面に触れてしまわないところに置いておきましょう。

それではまた次回。 お疲れ様でした。

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