油絵を描こう 1

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第1回 はじめに

油絵の具、キャンバス、絵筆

油絵に使う画材。チューブの油絵の具にキャンバス、筆、リンシードオイル。

『いつでも好きな時に一人で描ける』を目標に

まず最初にどんな画材道具を買い揃えれば良いのかというところから、その道具の性質と扱い方、油絵の技法についてはもちろん、人生の中の幸せの1つとして楽しみながら描ける絵との付き合い方なども、雑談を交えながら綴っていけたらと思います。

今の世の中は、ただ1日を普通に過ごすだけでも一昔前では考えられなかったくらい、たくさんの情報が目から耳から絶えず流れ込んできて、一説によれば現代人の1日に触れる情報の量は、18世期の人の一生分の情報量に値するとの話もあるくらいです。 一時はテレビやラジオだけだったものが、スマートフォンをはじめとする通信機器やテクノロジーのビックリするような発達で、欲しい情報は瞬時になんでも手に入り、それを伝え合うことが出来る時代になりました。

インターネットは文字通り世界を変え、本当に便利な世の中になりました。もちろんこうした発展はとても有り難く、そして素晴らしいことです。けれど今、僕たちが生きるこの便利さと利益を極端に追求した、あまりに急ぎ続けるこの日常のすぐ裏で、その大きな発展の影に隠れて見えなくなってしまったり、見失ってしまっている大切なことがあるということもまた、忘れてはいけないことだと思います。

さらに人は世の中に出て様々な経験を重ねることで、普通や当たり前といった固定観念や概念の枠にどうしても捉われてしまいがちです。それはもちろん社会に生きる一人間として絶対必要不可欠なことだし、経験はとても大きな財産でもあります。けれどその反面、知らず知らずの間に人や物事に対して色眼鏡をかけて見てしまうキッカケになってしまう事があるのもまた、否定できません。

これから僕が皆さんに推奨したいのは、目まぐるしい変化が起こり続ける今の時代を生きていく中で、たとえ少しでも自分の時間を設けて夢中に没頭できるような時間を持ってもらえたらということです。特に今みたいな時代だからこそ、人として何にも縛られることなく自由に発想を広げられる時間を持つということは、とても大切なことだと僕は思います。加えて目の前にある物をゆっくりと見据えるという機会は、絵や、何かものつくりでもしない限りは、なかなか得られる物ではありません。

『料理を作ったなら誰かに食べてもらいたい』、『楽器を奏でられるなら誰かに聴いて欲しい』、そしてもちろん『絵を描いたなら誰かに見て欲しい』。そうした承認欲求というのは人間である以上、自然な湧き上がる感情なので誰しもが少なからず持っているものだし、当たり前なことです。

ですが一番初めのシンプルでいて最も大切なことは、まずは自分自身が楽しく幸せな時間を過ごすためということを決して忘れては行けません。そうでないとある時ふと気がついたら、誰かに褒めてもらいたいためだけに描いていたり、誰かに自分の描いた絵を貶されたことをキッカケに、もうやりたくない、なんていうことになってしまったりします。俗によく絵の才能なんて言いますが、本当の意味での才能とは、本人が幸せを感じていられるのかどうかということに尽きるのではないかと僕は思います。

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