たかが絵、されど絵。

絵って? アートって?

陽の落ちた雨上がり、水たまりに映るパリ・オペラガルニエ。

不思議なことに僕が絵を描いていると言うと「私には絵心がないので描けない」、「絵はわからない」と言う人にたくさん出会います。 

誰でも子供の頃は無心で絵を描いたことがある筈なのに、人は経験を積んで成長して大人になることで本来生まれながらにして持っていた感覚よりも人から見られることや評価されることを気にする気持ちの方が強くなってしまい、楽しんで描くということが出来なくなってしまうのです。 

日本に暮らしていた頃を改めて思い返し、考えてみても日本人は生真面目で実直であるが故に自分の幸せや正直な気持ちに蓋をしてしまう事が少なくないように思えます。

今、時代は急速に変わっていく真っ只中で、人々にとっての仕事の仕方、人間関係、 価値観さえも常に目まぐるしく変化していて目が回るほどです。 そんな中、 僕たちは人としての幸せの在り方について今一度見直してみても良いのではないでしょうか。

便利さが追求された世の中は極み、ボタン一つで全てやってくれる全自動洗濯機、冷蔵庫にエアコンなどはもう、日本では当の昔にほぼ全ての家庭へと行き渡っていることと思います。特にインターネットとスマートフォンの発展、普及によって生活の便利さはさらに進んでたくさんの情報を得ることが出来るようになりました。

また個人が『自分』を発信する事も出来る時代です。 けれどその一方で、僕たちは無限に行き交う情報の波に飲まれて自分を見失しなってしまうというリスクとも隣り合わせでいるように思います。 ですから自分にとって大切で必要な情報をしっかりと掴み、またそうではない物には惑わされないように選択していくことが今後更に大切なってくると思います。

これまで世の中が発展してきたのは素晴らしいことだし、その発展の数と同じ数だけ人々の夢も叶えられてきたことでしょう。しかしその分だけ人々が幸せになってきたのかと言うとそうではないように思います。消費に搾取、お互いの首を絞めあうような競い合い。そんな今の時代、落ち着いて目の前のものを『見据える』ような時間と気持ちの余裕を持つことは、もしかすると簡単ではないかもしれません。

たかが絵、されど絵ですが、時折自分の好きな絵に目を向けることができる生活を送る事で、僕はそれが皆さんの小さな幸せや心の余裕を広げるキッカケになったらと思うのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました